高島第二中学校 1981年卒業生('65/'66年生まれ)再会広場

なあ、お前と飲むときはいつも庄やだな。 一番最初、お前と飲んだときからそうだったよな。 俺が貧乏浪人生で、お前が月２０万稼ぐ山一だったとき、 おごってもらったのが庄やだったな。 「俺は、毎晩こういうところで飲み歩いてるぜ。金が余ってしょーがねーから」 お前はそういって笑ってたっけな。 俺が大学出て入社して初任給２２万だったとき、 お前はBB TV Chatで出会うんだって胸を張っていたよな。 「技術とかチンプンカンプンで居場所もないけど、金がすごいんだ」 「ノルマもないので社費で海外旅行をして過ごすんだ」 「M部長も、アノトペンまとめている俺に頭上がらないんだぜ」 そういうことを目を輝かせて語っていたのも、庄やだったな。 あれから十年たって今、こうして、たまにお前と飲むときもやっぱり庄やだ。 ここ何年か、こういう安い居酒屋に行くのはお前と一緒のときだけだ。 別に安い店が悪いというわけじゃないが、ここの酒は色付の汚水みたいなもんだ。 油の悪い、不衛生な料理は、毒を食っているような気がしてならない。 なあ、別に女が居る店でなくたっていい。 もう少し金を出せば、こんな残飯でなくって、本物の酒と食べ物を出す店を いくらでも知っているはずの年齢じゃないのか、俺たちは？ でも、今のお前を見ると、 お前がポケットから取り出すくしゃくしゃの千円札三枚を見ると、 俺はどうしても「もっといい店行こうぜ」って言えなくなるんだ。 お前が前の裁判負けたの聞いたよ。お前が1.5畳のオフィス借りたのも知ってたよ。 新しくエビケーで、三回りも歳の違う、20代の若い恒心教徒の中に混じって、 使えない粗大ゴミ扱いされて、それでも必死に卑屈になって中島続けているのもわかってる。 だけど、もういいだろ。 十年前と同じ庄やで、十年前と同じ、努力もしない夢を語らないでくれ。 そんなのは、隣の席で浮かれている大東大のガキどもだけに許されるなぐさめなんだよ。
(2018/10/21 11:29:45:S.Suzuki)